|
いざ、ワイカト大学の剣道倶楽部へ 4月26日 午前中の所用を終えてから、レンタカーでオークランドから2時間 時速100キロぐらいで走りつづけてワイカト大学に到着し、大学構内にあるはずの目指す体育館を車で走り回って探さねばならないほど広い校舎でした。体育館を見つけた時は、ちょうど練習が始まった頃で、 体育館の中から元気な声で メン、メン、メン、と部員達の素振りの大きな掛け声が外へ響いていました。 アドレナリンがグッと身体を満たしてきます。「わー、大丈夫かなあ、もっと日頃から練習をしておけば良かったなあ」と後悔先に立たずでした。娘も一緒でしたので、いまさら弱気になれず、さも何とも無い風情で体育館の方へ向かいました。 体育館に入り通路を抜け扉を開けると 広い体育館に30人ほどの人が剣道着、体操服でそろって準備運動をしていました。リーダーのMr. Tsai ( Samさん)が私を見つけて近づいて来て笑顔で声を掛けてくれました。 E-mailで何度か会話していたのでなんだかペンフレンドにやっと会ったようなフレンドリーで楽しい幕開けでした。すぐにSamさんは自分の子供さんや幾人かの人を紹介してくれたあと、着替えルームにエスコートしてくれました。中は広く明るい大きな部屋で ベンチ、ロッカー、シャワー設備がゆったりと配置されていました。運動不足の身体をそこでゆっくりほぐしてから練習に参加することにしました。 ちょうど防具練習に入る頃に、私も防具をそそくさと着け、列に入りました。Samさんが私に上座に立つ様に合図されましたが、ご遠慮しました。日頃、海外で指導されるのは日本の大先生が多いので外国の剣士の方々は日本から来たと言うだけで私を過大評価しているのではないかと心配になりました。 切り返し、基本打ち、ぶつかり稽古、技の約束稽古等の一通りの練習でいい汗をかいた所で自由稽古。稽古は日本とほとんど変わりません。熱気も,空気も、緊張感も、まるで日本と同じ、またはそれ以上。 日本のどこかの合同稽古に来ているような感覚でした。 若い元気な打ちがどんどん遠慮無く打ち込まれてきます。指導は2グループに分けて、Tsai先生が上級、奥さんのMs.Charng(Marleenさん)が初心者の指導をされていました。 運動場に向かって開いている扉からは興味を持った子供や青年、大人の方々が、珍しそうに見学していました。体育館の中に入り込んできてベンチに座って見ている興味津々な様子の見学者も五〜六人ほど居ました。 きっと珍しい光景なのでしょう。 Tsai先生は一人でも多くの人に剣道を知ってもらいたいのでオープンにされている様でした。先生の指導のおかげでしょう、初心者の方も大変真っ直ぐな正しい振り,打ち込みで掛かってこられます。 日本の中高生の中には試合中心の稽古のせいでしょうか、身体を捻じ曲げ無理な打ちで あてっこ剣道が見られますが、それが無いのがすばらしいなあと感じました。 Tsai先生と対戦させていただきました。真っ直ぐな剣道です。私も 真っ直ぐ攻めて、まっすぐ思い切った打ちを出して練習させていただきました。他の方達との練習でも「面打ちで打ち勝つ、一歩も下がらず」を心に決めて実践。それに呼応して相手になって下さった剣士の方々も自然と面での勝負をかけてこられました。言葉なくても心で通じ合う。これが「竹刀を交える」意味だ。なんて自分なりに納得し感激。 時間はあっという間に経って、最後は黙想、礼。 この日は、ワイカト大学に英語の勉強のため最近シニア―語学留学されている50歳後半の日本人の6段の先生がオブザーバー的に見学されていて、練習中ベンチからアドバイスをされていました。最近、時々顔を出される様です。剣道部があるのを知らなかったので防具を持ってこなかったのが悔やまれるとのこと。英語で 「縁を切らない、中心を攻める、」等の指導を時折説明されていました。英語で説明するのは難しそうでした。気合、攻め、先の先、なんてのは英語で説明は難しいと思いました。その日本人の先生が「この英語の説明で通じてるかな?」と心配そうに私にも意見を求められましたが、 剣士達がその指導にすぐに反応して動きが変わるのを見て、結構伝わってるんだなあ、分かるんだなあ。やはり剣道は体で分かるもんなんだなあと感じました。 みんなそろって記念撮影をして解散し、シャワーを浴びて着替え、笑顔にあふれる皆さんと挨拶の言葉を交わして、帰ろうとしたとき、Samさんが「良ければ家で夕食食べていきませんか?」とおっしゃってくれましたので喜んでお伺いしました。 家にはSamさん一家、練習参加していた幾つかの家族が集まり、娘もそこに集まっている7人ほどの子供達と一緒に遊びはじめました。奥さんが餃子や本格的台湾家庭料理を作ってくださり、これがまた大変おいしいのでバクバクと頂いてしまいました。 Tsaiさん一家は台湾出身ですので、家の中は中国語と英語が飛び交う大変にぎやかなホームパーティーになりました。あまりに楽しい会話で盛り上がった為、私もその時写真を撮ることもすっかり忘れてましたし、娘も自分のカメラをSamさんの家の本棚に置いたまま、遊びに熱中しすぎてすっかり忘れてしまって、翌日ホテルで朝ご飯を食べている時に「あっ」と忘れた事に気づくことになりました。(後日Samさんが娘のホームステー先に送ってくださいました。) もっとゆっくりしたかったのだが翌日の予定もあり、夜の九時くらいにお暇してオークランドへ車で戻りました。 途中までTsaiさんが車で先導してくれた為、道に迷わず、高速に乗れました。車中、娘が、楽しかったと言いながら、何時しかすやすやと寝息を立てるのを聞きながら私は夜の高速をオークランド・シティーへ向け快適に飛ばしました。満天の星が綺麗でした。日本で見る夜空より星の数が多い。ホテルには11時頃到着。気持ちの良い皆さんの歓待への感謝の気持ちに満たされ、心地よい疲れを感じながらベッドに横になりました。思い切って行ってよかったなあと心の中でつぶやいておりました。 |